法律家探検隊

かよこが私に代わって税理士試験を受け一発で合格した。それ以来かよこのヒモ状態になっている。そう、かよこの稼ぎで私は飯を食っている。召抱えられていると言っても過言ではない。税理士になるとそんなに儲かるのか。いや、かよこは元々商売っ気がある女だった。最近では他の税理士さんと打ち合わせがあって忙しいといって家に帰ってこなくなった。

エレキギターを弾いていると窓をノックする音が聞こえてきた。あいつだ。またギター談義に花を咲かせたいのかと思い窓を開け彼を部屋に招きいれた。お互いのエレキギタープレイの美学を語り合う。どのギタリストがすきだとかそんなたわいもないエレキギター話は夜まで続いた

弁護士の先生から渡された書類に目を通してみたもののゆみこと私にはさっぱりわけがわからない文章でかかれてあるため理解不能であった。弁護士は本当に意味わかってんのかこの文章を。隙がない文章というのはどうも堅苦しくていかん、ということで弁護士事務所を出て近所のカレー屋にカレーを食べに行くことにした

「まずは私の公認会計士の父親に公認してもらわないと私たちの未来はないわよ」ゆみこは私のネクタイの結び目を気にするそぶりをみせながらそういった。公認会計士がなんなのか私にとってはどうでもいい話だが私達の関係を公認してもらうことは極めて重要だ。「公認会計士っつって、ハンコでも押してもらおうってのか」そんな話をゆみこは既に聞いていない。

司法書士試験の日程が刻々と近づいてきた。妻のゆみこは相変わらずまったく私のフォローをしてくれる気配などない。司法書士にまったく興味がないのだ。彼女は自分で生き抜く力を持っているからな。司法書士とか国家資格だろうがそんなの関係ねえ～みたいだ。